大判例

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福岡高等裁判所 昭和30年(う)1527号 判決

しかし、原判決挙示の各証拠によれば、被告人が本件犯行当時病的心因性反応状態による心神耗弱の状態に在つた事実を認められないことはないから、論旨は理由がない。(尤も、原判決挙示の医師向井彬作成の鑑定書は検察官の申請に基き、原裁判所において同医師に被告人の精神鑑定を命じ作成報告せしめたものなるところ、原裁判所は職権を以て、しかも検察官、弁護人の同意を得ることなくこれを取調べているから、右鑑定書は厳格な意味において証拠能力に欠くるところはあるが、元来心神耗弱の事実は罪となるべき事実に属しないから、かゝる書面と雖も右事実認定の証拠に供し得るものと解するのが相当である。)

(裁判長裁判官 西岡稔 裁判官 後藤師郎 裁判官 中村荘十郎)

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